間章 誰かのどくはく

2/2
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
 香水は硝煙。  引き金を引いたのは私だった。  間違っているのはわかっている。  正しくないとは理解している。  だけど、絶望に咽び泣く真実より  希望に満ちた空想の方が美しかった。  知ってしまった。  気づいてしまった。  嘘は蜜の味で、真実は泥の味がする。  なら  あなたの世界を、嘘で埋めてしまおう。  あなたが泣かないよう、偽りの希望を振り撒こう。  そうして嘘にまみれたあなたは  きっと  とても甘い味がするだろうから。  
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!