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 リビングのソファーに座り、平政は一人思考する。 (……鍵、か。中に家族に見られたくないものがあるって事だな。ま、大体想像はつくが)  去年までは普通に部屋に入れていたが、二年になってからは「散らかっているから」と遊ぶ時はいつも一階のリビングに通されていた。 (でもただのエロ本なら俺まで中に入れないのはおかしいよな。誰にも見られたくない、よっぽど際どい代物があるってのか……?)  ふと、テーブルの上のクリップを見つけると、平政はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。 「ママさん、トイレ借りるっす」  リビングを出て玄関前に戻った平政は、足音を立てないように階段を素早く上った。 (友人として、友人の趣味趣向は知っておくべきだよな)  二階に上がり目的の部屋の前に到着すると、平政はさりげなく拝借していたクリップを曲げ直線にし、それを鍵穴の中に突っ込んだ。  平政は単純な仕組みの鍵穴なら針金一本で開けられる特技を持っていた。 (グフフフフ、一体どんなお宝を隠してんだぁ? 無修正のDVDかぁ?)  ニタニタとしながらクリップだった針金を動かすこと15秒。鍵穴からカチャリと音が聞こえ、平政はフッと息を漏らすとドアノブに手をかけ一気に回し引いた。  そして目の前に広がった光景に、思わず持っていた紙袋を落とした。
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