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「あ、ああ……」
平政が背を向け棒立ちしている助清の部屋。その狭い空間の壁や天井、襖など至る所に写真が張り巡らされていた。
中でも目を引くのは、ベッドの足側に張られた巨大な写真。限界まで引き伸ばされたそれはもはや画質の悪いポスターだった。
それら写真に写るのは全て同一人物。常に本を手にしている黒髪眼鏡の女子。紫村咲姫だった。
更にガラス棚の中には何やら奇妙な物が飾られていた。
【姫が捨てたテッシュ:○月○日教室にて入手】
【姫が使ったストロー:豆乳バナナオレに使用】
【姫が食べたバナナの皮:防腐処理済み】
それらは誰がどう見ても、ゴミと呼んでも差し支えない品々だった。
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