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空が青いということを知ったのは、私がまだ小学校に入学したての頃だった。
私のクラスには学年で見ても一番といっていいほど、とても可愛らしい女の子がいた。
いつも清潔で綺麗な洋服を身に纏い、清楚で可憐で、髪の長い笑顔の素敵な女の子だった。
その子の名前はもう覚えていない。
確か何か可愛らしい花の名前が入っていた気がする。
その『花の子』は、先生からも褒められることも多いし、ちょっと転んだときも、すぐに周りの男子たちに助けてもらっていた。
だから、周りの女子から反感を買いやすかったかといえばそうではない。
花の子は、女子からの評判も高かった。
気品もあるし、お道化るときはお道化、真面目なときは相手に対し親身になって話を聞く。
花の子は誰に対しても優しかったのだ。
私以外には。
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