Ⅰ I = Who are you ? -1-

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ある日、絵を描く授業があった。 校庭の好きな場所を選び、好きな景色の絵を描く授業だ。 私には景色を好きになるという感覚がわからなかったが、絵を描くことは好きだったので、校庭の坂になっているところに座り、真っ赤な空と真っ黒な校舎の絵を描くことにした。 そのとき、花の子が私の右斜め下に友人たちと共に座った。 そして、私と同じ景色の絵を描き始めた。 青い空と白い校舎の絵だった。 「へんなの」 私はつい口を滑らしてしまった。 だって、私の見える景色とは違う。気持ちの悪い絵だと思ったからだ。 そして、その声は花の子の耳に届いてしまった。 彼女は私のほうを振り向き、ゴミでも見るような目を向けた。 その目はあのときの目に似ていた。
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