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目が泳ぐ私に、無表情で、 「上司が嫌いでも、辞めんなよ!」 至近距離でそう言うと、顎と唇に触れている手を離した。 「辞めません!失礼します!」 逃げるようにして車を降りて、アパートの二階に上がる階段を走って登っている後ろで、車が発進する音を聞いたが、そのまま振り返らずに部屋に入った。 部屋に入っても、ドキドキが止まらなくて、 「なんなの、今の!」 自分の唇を触れると、山崎に触れられた唇が熱くなっていた。
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