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ノートを見て、次のボタンを指差して、 「ここですか?」 そう、恐る恐る尋ねると、 作業服のポケットに手を突っ込んだ山崎は、 「うん。」と一言返した。 ボタンを押して、ピッと音がなると、 「次は?」 と、すかさず、また聞かれた。 再びノートを確認すると、 【下ボタン】と書いてある。 下ってどこだろ…? 「…。」 人差し指で、パネルの前をウロウロ迂回して、【下ボタン】を探して、指をさ迷っていると、 ポケットに入れた山崎の手が、私の手首を掴んだ。 山崎が、私の手首を動かして誘導するように機械のボタンに触れると、私の人差し指が、ピッっと鳴らした。 「ここ。」 触れられた手首、近くで発する低い声に、固まる私。
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