37人が本棚に入れています
本棚に追加
ノートを見て、次のボタンを指差して、
「ここですか?」
そう、恐る恐る尋ねると、
作業服のポケットに手を突っ込んだ山崎は、
「うん。」と一言返した。
ボタンを押して、ピッと音がなると、
「次は?」
と、すかさず、また聞かれた。
再びノートを確認すると、
【下ボタン】と書いてある。
下ってどこだろ…?
「…。」
人差し指で、パネルの前をウロウロ迂回して、【下ボタン】を探して、指をさ迷っていると、
ポケットに入れた山崎の手が、私の手首を掴んだ。
山崎が、私の手首を動かして誘導するように機械のボタンに触れると、私の人差し指が、ピッっと鳴らした。
「ここ。」
触れられた手首、近くで発する低い声に、固まる私。
最初のコメントを投稿しよう!