生はまこと嘆息に尽きる

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  恋も愛も、 本能からの 副産物だなんて。 ちょっと感覚の尖った 本を読んだり 映画を観たりすれば 手に入る理屈で、 ある種の真実だ。 私だって、 だれに教わらなくたって そう感じることはある。 日常というのは、 案外毒まみれなものだ。 けれどそう言い切ってしまうと、 取るに足らない私の人生が 味気なく色褪せてしまうようで── いや、本当はもうとっくに モノクロに向かって 転げ落ちてるとは思うけれど。 それでも、 なんとなく実感のない 夢を見ていたい気分には、 だれだって なるんじゃないだろうか。 きっと宝くじと 同じようなもので、 私のところには来ないだけで、 どこかにはきっと あるもんなんだろう。 真実の愛とかいうのは。 .
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