生はまこと嘆息に尽きる

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  実際あろうとなかろうと、 どちらでもかまわない。 そう思うだけで なんとなく救われるような、 そんな癒しが人生には必要だ。 私に許される甘さと言ったら、 その程度のものかと思うし。 ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 恋の思い込みというのは、 信仰なのかも知れない。 私が乾先生から 離れようと決めたとき、 そんなふうに感じたことを 覚えている。 世界に唯一のもので、 盲目で、 ただ愛し、 疑うことなく尽くして。 まるでそれは 神さまみたいじゃないか、 って。 我に返った瞬間、 ぞっとした。 乾先生を唯一と思い慕い、 すべてを明け渡して しまいそうな 自分に気づいて。 .
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