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わたしたちみたいだね 海
舗装道路を砕く、削岩機の音。
アスファルトを焼きつける、強烈な日ざし。
舞いちる、土ぼこり。
その中で、和宏は、必死に土を運んでいた。
もう、8月も終わりになるというのに、太陽は容赦がない。
まとわりつく、熱気。
流れおちる汗。
和宏は、休むこともなく、必死に一輪車で土を運ぶ。
生きるためには、ぜいたくは言えない。
和宏のようなものがありつける仕事は、こんな仕事しかなかった。
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