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「それは今から3週間前のことだった」
「ねぇ、それ誰に話してんの」
「誰にも話してない、ただの確認作業です。なのでお静かに願おうか、そこのハゲ」
「ひどくない、結構気にしてるのよ。最近はね、このザビエルっぽくなっちゃった髪型を何とかデーモンな閣下並みのフッサフサにしてやろうと頭皮に神力を使ってるんだよ?」
「成功しなきゃ意味が無いし、というかそんな無駄なことに神力使ってんじゃねぇよ。もっと有意義なことに使えよ、ほら 、世界平和とか」
「はぁ、全く君は何もわかっちゃいない。この世界のどこにも平和などはありはしない。そんなものは空想のお伽噺だ。そんな物でしか生きられないのであれば……抱いたまま溺死しろ!!」
「なんで急に弓士になったし」
「ついノリと勢いで」
「そっかー、なら仕方ないな」
「「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」」
と、ここまでくだらない漫才をしてきたがそろそろやめよう。
「なぁ俺って死んでるよな、最後に鉛色のでかいものにぶつかったし。あれ絶対トラックだよな?」
「そうだよ、高橋 直哉君(19)♂。君の願いを聞き入れてすぐ迎え(轢き)に行ったんだから」
「もうちょっとやり方ってものがあっただろうに……。とりあえずこれで手打ちにしてやるよ」
ブチブチッ
「ぎゃぁああああああ!!私のお花畑がぁあああああああ!!!」
「お花畑?焼け野原の間違えだろ?」
「ちげぇーし!焼け野原じゃないし!これから花畑にする予定の荒地だしっ!!」
「酷くなったな」
「言ってて死にたくなった」
「まあそんなことはどうでもいい」
「どうでもいいで済まさないで、君のおかげで野ばらの群生地が盛大に除草されっちゃったんだから」
「俺の名前は、高橋 直哉19歳」
「この状況でしかも神様の話をガン無視できるのは君ぐらいなものだよ。本当に素敵よ!」
「やかましい」
ブチブチッ
「ああぁあああ!半分持っていきやがったぁああああ!」
「扉の向こうに?」
「流石に髪はオートメイルに出来ないよ!」
「お前の弟を使えばいけるんじゃねぇ?」
「その手があった!」
半分ザビエルヘアの髪様は、持てるすべての力を使い弟の毛根を奪いに出かけましたとさ。
「な、何をする!兄上!?」
「じゃっかあしんじゃボケェ!!なんでてめぇ弟の分際でふさふさなんだよ!それよこせや!」
「やm、…NoOOOOOOOOOOOOO!」
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