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3月、月末。
朝6時。
まだボーッとする頭でリモコンを手繰り寄せ、半分ほど開けた目で開花のニュースを見ていた。
頭はまだ寝ぼけてるくせに、
結局一緒には花見に行けなかったな、と思い出す。
この時期のあいつはどんな服装をしたんだろうか。
どんな笑顔で、
どんなネイルで、
川沿いの満開の桜を、
はたまた、公園一面の春色を、
どんな風に愛でたのだろうか。
今となっては、俺にそれを知る術はない。
はぁ。
これだから休み明けは嫌いだ。
月曜日の今日は、
社内でのミーティングと、火曜水曜に集中させてる打ち合わせのための準備に充てている。
こんな憂鬱な気分のままじゃ、上手くいくこともヘマをするだけだ。
だけど今日は、いつにも増してあいつが頭から出ていってくれなくて、
あいつならきっとテレビに流れたこの色を選ぶかな、と、
明るめのピンク色のネクタイを締めてオフィスへと向かった。
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