第15章

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―土曜日―   今日がきた。   こぅに最後会ってから、電話やメールはない。   旬と別れてから今まで、心が揺れる事はなかった。   旬がくれた大切なチャンス。   大事にします…   それが私の旬へのせめてもの誠意だった。   こぅが乗る電車の時間が近い。   そろそろ家を出ようとした時。   電話がなった。     「啓子…?   はい、もしもし。」   「ゆん…今日どうするの?」   「…うん…実は…」   私はあの日の事を話した。   「そっか…   旬さん…かわいそうだね。」   「………。」   「ゆん。 旬さんの気持ち… 大切にしなね。   今の気持ちを忘れるなよ!!」     わかってる…
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