touch 332
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タクシーのドアがバタンと閉まり、 エンジン音を上げて去っていく。 それを背中で聞きながら、 私たちは羽場の実家へと足を踏み入れる。 いわゆる高級住宅地の一角。 社員の給料は安いのに、社長宅はかなり贅沢だ。 警備保障会社のステッカーが貼ってあるだけで 『金持ち』と認識してしまうのは、 私が生粋の庶民だからだろうか。 「ただいま戻りました」 「お邪魔します」
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