2654人が本棚に入れています
本棚に追加
取り敢えずトレイを片付けるため給湯室へ戻り、
やるせない思いにしばらく呆然とする。
すると、いつの間に戻ってきたのか
尾崎さんが私を探していたらしく、
おずおずと声を掛けて来た。
「あの…水口さん?いま事務所に誰もいなくて。
俺もまたすぐ外出するから電話番を頼めるかな」
「あ、はいっ。すぐ戻ります、ごめんなさい」
平静を装うつもりが、やっぱり無理で。
それでも悟られぬようにと、
俯いたまま自席へ戻ったのに。
「えっと、何かあった?俺で良ければ聞くよ」
最初のコメントを投稿しよう!