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「ねえ、もう別れようか」
負けず嫌いの私は、泣かなかった。
その代わりに昨夜、
真っ先に羽場へ電話をしたことを伝える。
「電話したけど、知らない女性が出て、
『マリちゃんとチュウしてる』と言われたよ」
「はあッ?!そんなワケないって。
ああ、たぶん俺、泥酔して座ったまま寝たんだ。
そんとき勝手にキスされたんだな。
なあ愛利、また俺を試してるだけだよな?
本当は別れる気なんか無いんだろ?」
静かに私は『…本気です』とだけ答えた。
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