touch 334

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私が羽場と別れたことを知っているのに。 食事に誘うワケでもなく、 土日にどこかへ行こうと言うワケでもなく、 ただただ、純粋に送ってくれるだけ。 今の私には、この距離感が非常に有り難かった。 「はい、えっとじゃあコレを片付けて…」 「うわああッ、ちょっ、水口さん!」 什器の入ったダンボール箱を 自分の身長よりも高い位置に置こうとしたが、 たぶん箱が劣化していたのだろう、 その中身が豪快に零れ落ちた。
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