touch 334

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普段、そんなことをしないクセに。 背中にケガをさせた負い目もあって、 私はその手を振り払わず、握られたままでいた。 「愛利」 私をそう呼ぶのは、羽場だけだ。 「は…い?」 「気を付けて帰ってくれ。聞こえたと思うけど 明日、新人アシスタントが来るから頼むぞ」 『分かりました』と返事して倉庫を後にする。 ギクシャクした関係が続くのは仕方ない、 たぶん時間が解決するだろうとこの時は思った。
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