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このドサクサに紛れて羽場が耳元で囁く。
「もう全部お見通しだからなッ。
お前、俺と岡本さんをくっつけるつもりだろ」
「…え、あ…うん」
恐る恐るその顔を見つめると、
羽場は不貞腐れた感じでこう言った。
「愛利はソレでいいのか?
俺が早く他の女と付き合えばイイと?」
「まあそれもあるけど、頼まれたんだもん。
ナッちゃん、羽場のことが好きなんだって」
その瞬間、私は胸が締め付けられそうになる。
…なぜなら羽場が、泣きそうな顔をしたから。
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