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「引っ越し、手伝おうと思って。
早朝から動くなら、泊まり込みの方がラクだし」
しれっとした表情でそう言うけど、
きっと本音は違うだろう。
最後の最後だから、
尾崎さんが私に手を出さないか心配だったのだ。
でも、私にまた『信用してくれないの？！』と
叱られるのがイヤで、そんな言い訳を用意して。
…まったくもう。
部屋に入り、ネクタイを外しながら彼は言う。
ココまで荒木さんと同じタクシーで来たのだと。
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