[亜貴side]

5/34
前へ
/2956ページ
次へ
「昌(しょう)、お前こっちに来れば? いきなり緒川さんの隣りじゃハードル高いだろ」 離れた席から、高遠くんが手招きしている。 その左右には取り巻きの女子たちが、 誘うかのようにこちらを見つめていた。 うう、あんな格好が出来るなんて彼女達スゴイ。 光に透ける髪は重力に反してふわふわと揺れ、 腋毛処理もバッチリなノースリーブのワンピ。 子供の頃に遊んだリカちゃん人形よりも 色合いのハッキリした濃ゆいメイクは、 瞬きするたび睫毛から風が吹いてくるようだ。
/2956ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2653人が本棚に入れています
本棚に追加