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「もうっ! 我慢できない!」
そう言って彼女は僕の手首を掴み、どんどん人気の無いエリアへと突き進んでいく。ヒールの高さをものともしないスピードだ。ガムテープで強引にタイトスカートにしたことにより、歩く度に彼女の綺麗なヒップラインが強調されている。
「え? ちょっ、キャリー? どこ行くの?」
足の長さは対等ながら、肩に食い込むリュックが僕の足をもたつかせる。
「ここ」
と、彼女は急に立ち止まり休憩3000円~と書かれた看板の向こうへ消えた。
ふふん、僕のボディタッチがどうやら彼女のやる気スイッチをオンにしてまったらしい。
──フッ、僕って罪な男だ
幼稚園の年中さんぐらいの時、据え膳食わぬは男の恥だとパパから教わった。
あの時は意味が解らなかったけど、今なら解るよパパ。
僕も積極的な彼女に今までに無いくらい興奮してきた。
見事に彼女と結ばれてから……殺ってみせるさ!
(決めてやるよ!それでこそ14歳の完璧な記念日だろ?パパ!)
僕は青い空に向かって誓いを立てた。
見守ってくれよな、と。(ま、塀の向こうでピンピンしてるんだけどもね!)
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