ターゲット確定

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 実はね、もう初めてのお相手の目星はつけてあるんだ。  一学年上の真洗(マアライ)キャリーさん。  彼女は読者モデルでそこそこ有名な雑誌にも載ってる、僕の通う中学の有名人。名前で気がついた人もいるかと思うけど、目鼻立ちの整ったお人形体型のハーフ。 アメリカと日本だったかイギリスと日本だったか忘れたけど、まぁその辺だったよ、確か。僕は彼女とほとんど話したこともないけれど、美男美女でお似合いだって周りがはやし立てるから(うちの中学のSNS情報さ)彼女も僕の事は知っているはず。 彼女の死に顔は芸術的作品になると思うんだよね。  美少女の死って話題性も抜群でしょ?  あとは、殺り方だよね。せっかく綺麗な顔なんだから顔に傷はつけたくないな。  物心ついたときにはもうパパがヘマやって収監されてるから、僕は殺人の手ほどきを受けたことがないんだ。まぁ、おじいちゃんもパパには何も教えてないって言ってるし(だから捕まったんじゃない?)、おじいちゃんも誰に教わったわけではないって言ってたからね。殺しってさ、例えば「足の速さ」みたいなもので天性の才能なんじゃないかと思うんだ。   どんなに努力しても躊躇せず人を殺せるのは一握りの人間だけ。  そう、僕たちのような殺人エリートのようなね。  殺り方って色々あると思うんだど、僕は何に向いてるのかな?  僕はずっと将棋部でマッチョとはほど遠い人間だから、絞殺や撲殺はあまり向いてないと思う。科学もあまり強くないから毒殺もどうかな?そもそも決行は明日だし毒なんか用意していないしね。  ま、案ずるより産むが易しというし、その場のノリで行こうかな。 何が最適かなんて誰にもわからないんだから。  とりあえず明日、真洗先輩と会う約束をしよう。 どうやってって? 「僕とデートして下さい」 これで間違いなくOKだよ。
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