ターゲット確定

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 翌日、僕は真洗先輩との待ち合わせの前にホームセンターへ寄って行く。  一体何が必要になるか分からないからね。  今日は僕の初めての殺人DAY  だから行くのさ、DIYショップ (セイ!) 鼻歌交じりに自動ドアをくぐり、使えそうなものを片っ端からカゴに入れていった。 「金槌・のこぎり・ロープ・農薬・接着剤・おもちゃの手錠・ガムテープ・はさみ・包丁・バット・ガソリン・ライター・手袋・灰皿・ナタ……銃はここには売ってなさそうだ」  チェーンソーも欲しかったけど、予算の都合上諦めざるを得ないね。 僕は買ったばかりの凶器たちをリュックに詰め込み、待ち合わせ場所へと向かったよ。  約束したカフェに10分前に到着すると、そこにはすでに真洗先輩の姿があった。 遠目からみても目を引くスタイルの良さと美貌で一目でわかる。 彼女はスマホの操作に夢中でまだ僕には気がついていない。  休日のカフェはほぼ満席だけど、さっきから皆チラチラと彼女を盗み見ている。僕も見られる側の人間だからよく分かるのだけど、気がつかれないように上手に盗み見ているつもりだろうけど本人は案外気がついているものなんだ。ま、日常になり過ぎてその視線も気にならなくなるんだけれどね。  僕が入店したことにより 、彼女に注がれていた皆の視線が僕にシフトチェンジした。 当然だよね。川上から川下へ水が流れるのが当然のようにね。みんな、より美しいモノが好きなのさ。  彼女が僕に気がついた。  ほうら、気にしてませんよって顔してたけど、やっぱり皆の視線感じてたんだね。薄まった途端にこれだもの。
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