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振り替えると、黒いローブを纏って、不気味な仮面をつけている者が立っていた。
声からして、男のようだ。
「よう、勇者様よ。自分が惚れた女が殺されちまったみたいだが……」
「グゥッ!」
台詞の途中で、男の胸ぐらを掴む少年。
「おいおい、人が喋っている途中でそれはねーだろ。」
胸ぐらを掴まれた男は、冷静に返す。
「君は……あの状況を最後まで見ていたのか?」
「だったらなんだよ……」
「どうして助けてくれなかったんだ!!君が助けに入れば、彼女は……」
「見ず知らずの俺に助けを求めようだなんて、酷く落ちぶれた勇者様だな。」
その声は、少年を嘲るようだった。
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