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「要君、練習は7時からだよ?」
「俺は…あ、僕は早く健さんみたいになりたいんです。」
「くくくっ。いいよ、僕の前では俺でも。」
「あ、いや、店に来たら僕にしようと思って…切替してるんです。」
「はぁー!要君と話すと前向きになれるよ。」
堤要君(20)
彼が高校1年の時に近くの薬局で声をかけたんだ。彼の友達がモデルの条件に最高に合っていたから。
必死な自分を思い出しても笑えてきてしまう。
あのコンテストも一緒に北海道に応援に来てくれたなぁ。恋人の須泉司君と。
それから双子の葵君と。
まさか、あの子がね。この世界に入ってくるなんて…
何年もかけて大変さと楽しさを伝えたけど、大変さは全く気にもしないで美容学校に通ってたまに手伝ってくれたりして…。
要君は前向きだ。本当に素直で乾いたスポンジのようにどんどん吸収していく。
本人は不器用だと思っているけど、僕よりは遥かに飲み込み早いんだ。
僕の同期だったら切磋琢磨して成長できたんだろうな。
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