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先生に呼ばれ話を聞く。
「んー。脱水症状が出てますね。…ストレスによる過労です。寝不足も重なったね。
仕事は……あー美容師か。んー。過酷な職業ですね。
今、点滴を打っていますからすぐには回復すると思います。
最近、何か急激にストレスを感じたかな。3日は休ませてほしいです。食事が出来るようになれば安心です。」
「……はい……ストレスか。」
「睡眠をとってのどごしの良いものを食べさせてしっかり休ませる。これに尽きますね。1日入院させてもいいですけど。ま、本人に聞いてみて下さい。」
俺は処置室へ行き、点滴を打たれながら寝ている翼を見つめる。
―――ストレス。
翼は仕事を続けられるか?
環境は他よりは断然良いと言える。休憩をとるなんて他ではほぼない。
朝から8時9時まで飲まず食わずってのは珍しくもない。
過酷だ。
でもうちは違う。
光さんのこだわりがそうさせてくれている。店の寮に住んで飯も食える。嫌な奴は店にはいない…
その環境で……ストレスって。
いや、俺か?
俺が変に気を使わせているのか。
でも辞めるわけにはいかない。健の話を聞いたばかりだ。
俺だって責任ある立場だ。俺が辞めたら健は残るか…ってそんな事で健の責任感を逆手にとることはしたくない。
翼のストレスになりたくないが、辞めるなら翼だ。
田舎でのんびり働くってのは嫌なのか?
俺を見つけてまで会いに来たんだぞ。
それが間違いだった……とか。
あー頭がパンクしそうだ。
翼は俺から離れたいのかもしれない。
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