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「と、とにかく!俺はお前の思っているような真っ直ぐな美容師なんかじゃないぞ。お前は俺に幻滅する。」
「しません!」
ガバッと翼は起き上がった。
「ちょ、寝てろ!」
「僕は翠さんに幻滅したことはありませんから!遊びが激しかろうが、時間にルーズだろうが………そんなのは…もう関係ないくらい………好きです………」
うわっ!まて…反応が遅れる…
とりあえず、ベッドに座って水を飲ませた。
「………………」
黙るって俺、何………
てか、翼が男らしいぞ。なんかゾクッとしてしまった。
「あの…なんでオーナーに嘘言ったんですか………その僕のこと…成長は楽しみだけど………迷惑ですか………」
「はぁ?んなわけない。
迷惑な奴の成長は見たくもないし、関わりたくもない。」
「………そうなんですか………」
「…初めてなんだよ、その意識してるのは………」
―――――。
は?何、無反応って…
ちらっと翼を見たら………“これが赤面です”みたいな真っ赤な顔があった。
「あー…信じらんねぇー。
俺、まともに好きにならないくらいそこの感情は腐りきってると思ったのにな。」
「………!」
「翼、お前はもう俺の中じゃ後輩以上なんだよ………俺だって気付いたのは昨日で。いや、前からきっとそうだったのに誤魔化して逃げたんだ。」
「………その…僕、何も経験したことないんで………なんて言っていいか…」
はぁ?結構な告白しただろが!
「お前は俺をその気にさせるプロだな」
―――――
気付けば俺は翼の唇に自分のを重ねていた。
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