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あれから6年… 健も翠ももう立派なスタイリストて売り上げにも貢献している。 翠は派手なお姉さんお兄さんの客がメインだが、派手好きなおばさま、おばあさままですべての客を虜にしているカリスマ性のある技術者だ。 健は子供からお年寄りまでファン層が幅広くて癒し系の技術者。それに店の金もちゃんと管理している俺にとっては信頼のおけるスタッフだ。 金は翠でも管理できるだろうが、嫌がるだろうな…。 その二人もお互いを認めあっていて、タイプは違うものの俺には入れない絆がある。 新人も入った。 もう5年も前から知っている堤要。 翠に憧れている矢内翼。 もう安心だ。なんだか力を抜いて働けている。 そんな時だ。翠から言われた。 「光さん…事実婚ってマジですか? ……健…辞める気ですよ。俺は嫌ですよ、健のいない店なんて。健の代わりなんて誰にも出来ないですからね。」 「翠…それ、健が言ったのか?」 「はい。昨日…。 光さん、健の気持ち知ってて事実婚なんて言って…健を失っても後悔しないでくださいよ。 やけ酒にも付き合いませんからねっ!」 ―――くっそ!
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