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「翠………お前、秘密守れる?」 「口はホスト並みに堅いですよ…」 「それはそれは………心配だわ。ちょっと定休日にドライブ付き合ってくれ。 翼とのことは見守るからさ。」 「いきます!来週の火曜開けときます!」 おいおい、この変わり様はなんだ。 翠はこんなにも素直なんて翼って…魔性なのか?? 「とりあえず、翼の看病はみんなでやるか…」 「いや、俺がしたいです。俺が元気にさせたい…」 「翠…お前…………すげーな。」 「へへっ。なんか認めたらめちゃくちゃ楽ですよ。いや、もう奇跡ですね。 健にもその気持ちを知ってもらいたいです。」 ――――。 俺だって知りたい。 もう5年だぞ。今はもう体の一部なんじゃないかってくらい離れる事はできない。 それでも――。 翠はこれを知ったら反応が変わるか… とにかく翠には話してみよう。 その後、翼は元気になった。 もう2日たったら働きますと言ってきた。 でも念のため休ませたら、明けに絶品スイーツを差し入れしてくれた。 みんなすごい…ご飯は壊滅的に不味いのにと言っていた。 確かに壊滅的だ。 桜は吐いたが俺は飲み込んだぞ! 翠はクールぶって食べてるけど…俺には分かる。 《翼…可愛いー》って心の叫びが聞こえるぞ。 その次の火曜日、翠とドライブだ。 「行きましょ。光さん!」 「悪いな、折角の休みに。翼と出掛けたかったか?」 「いや、アイツは要の家で遊ぶらしいですよ。ま、それは俺も安心だし。」 …………くくくっ。今まで散々遊んだのはどこのどいつだよ…。 俺は駐車場から車を走らせた――。
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