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翠は本当にカリスマ性のある美容師だ。
見た目ももちろんだけど、とにかく真似できないくらい天才的な才能というか…
俺は必死で練習したけど、翠は器用にこなしてしまう。
でもそこはひけらかす事なく俺にも教えてくれて良い奴だ。
客層はとにかく今風な女性ばかり。みんな翠を狙っているんじゃないかと思うくらい色気ムンムンで来店する。
翠はホスト並みにうまく会話して帰す。
携帯番号も貰わない。
相手にするのはキャバクラの御姉様くらいか?素行はややチャラいが仕事は信頼できる。
要君はそこを早くも見抜いたのかうまく付き合っているけど、翼君はそんな翠を少し曇った顔で見ていることが多い。
「翠、インスタントのしじみでいい?もうこれは翠専用だよ!」
「あー助かる!健!」
「翠専用なら自分で買えよ、なぁ?」
「光さん!そこはお願いしますよー」
光さんも冗談で言っているのが分かるから僕はメモに<翠しじみ汁>と書いておいた。ストック買わないとな。
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