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母親が亡くなった翌年の誕生日には周平と渚が祝いに行くからと。
でもその日は天候が悪いからやめとけって言ったけど二人は平気だと来てくれた。
事故にあったのは翌日の帰りだ。
周平は即死。
渚は…………あれから意識を回復していない。
俺は泣き崩れて仕事になかなか復帰できなくなった。
そんな時思い出した。
周平と渚が大喧嘩したときに
《光と付き合ってたら良かったかな》
なんて。冗談に決まっているが。
俺はいつの間にか渚の恋人役をしようって勝手に決めた。
それで月1だが、渚の病院を訪れながら働いた。
周平の代わりに。渚を待つって。
でもそれから4年後に健が店に入った。
次の年にはもう好きになっていた。
それでも渚は…未だに起きないし、周平の事も知らない。
俺一人だけ幸せになりたいなんて…
そんなこと思ってはいけない。
あの日、俺を助けなければ。
あの日、俺を祝いに来なければ。
気付けば36になっていた…
俺は大切なものがもう何かわからない。
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