社内恋愛禁止令？！

１．

それから順調に準備をして開店した。

フロントには美咲さんというオープンから働いてくれているパワフルママさんがいる。ベテランだ。トラブルはほぼない。

今日は要君がフロントに入って少し色々学んでもらう。

「要君、カルテ確認と電話対応をしましょうね。」
「はいっ！」
美咲さんは要君と翼君をみると子供がほしくなるとよく言ってるけど…もう３人産んでいる。

翼君は朝イチのお客様のカラー剤を調合したり、パーマを用意したり忙しなく動き回っている。

初めはガチガチでもなんとか慣れてきているみたいだ。

「えっと…50グラムつくるとして…
3:3:1だと？7×7…49…21…21…グラム…」

「おい、翼できたか？カラー剤」
「あっ、すみません、もうできます…」
翠に急かされてアタフタしてるけど、その翼君をみる目は……なんだか。

なんだか……困ったような…珍しい翠の顔。

「翼君、気を付けてね。2剤強いから」
僕も自分のお客様のカラー剤をバックヤードで作っていた。
「はいっ…」

「はいはーい。翼、急いで～。次の指名来ちゃう、俺。」
「翠さん、タイム10分入れます。カラー剤下さい。次来ますから。」

おーさすが桜ちゃん。
もう１年で良いチームワーク翠と桜ちゃん。