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私は恋がなんなのかわからなかった
あの人に出会うまで―…
「乃愛―――っ!」
いつもの放課後、裏庭の掃除をしていたところに友達が走りながらかき集めた枯れ葉の中にダイブした。
前にダイブしたいって叫んでいたのを聞いていたから仕方ないのかな、なんて思うけど当番からしたらやめて欲しい。
「…どうしたの、そんなに急いで?」
ツッコむ気にも引き上げる気にもなれず、ただひたすら広がってしまった枯れ葉を集め直した。
「ぶはっ!あー沢山あって良かった!」
「千夏」
「おっと。浩史がビックニュースがあるから放課後…帰り時間あるかって言ってたんだ」
「浩史君が…うん、あるよ」
「よっしゃー!伝えてくる!あ、皆教室に居るから」
あとで!と叫びながら綺麗になった道を走って行った。
ふふ、相変わらず元気だな千夏は
ここに入学して半年、季節はもう秋。
完全に、とは言えないけどだいぶ高校生活には慣れた。きっと今までみたいに時間は過ぎていくんだろう。
「乃愛ちゃーん!ごみ捨て行ってくるから教室に戻っていいよ。千夏達待ってるんでしょ」
先程の千夏の行動を見ていたクラスメートがクスクス笑いながらゴミ袋を持っていた。
「あ、うん。ありがとう。また明日ね」
「ばいばーい」
ごみ捨てに行くクラスメートを見送り、自分達が使っていた道具を片す。
ホントいいクラスメートに恵まれたなぁ
そう思いながら千夏達の待ってる教室に向かって歩き出した。
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