第1章 クラスメートの幼馴染み

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頭を抱える玲子を尻目に千夏、浩史君、秀太君の3人は楽しそうに笑っている。私は振り落とされないように腕に掴まってるので精一杯になっていてどうすることも出来ない。そして放課後の今は他の生徒が少ない事からか止めてくれる人がいない。という事は自動的に3人が飽きるまで待つしかないのかもしれない。 「あー!!腕疲れたし回るの飽きた。千夏おーわり」 「はぁ!?それでも男なの?体力無さすぎでしょ!ぎゃっ」 おーわり、その一言でパッと千夏を抱き締めていた腕を離し、ドンッと床に落とされる千夏。悪ふざけが過ぎたのかお尻をさすってる千夏に玲子は手も差し伸べようともしない。これで終わる、そう思っていたのに降ろされる気配がしない。むしろ普通に抱っこされてる。 「あのー浩史君?」 「…あ、あぁ。乃愛軽すぎ」 「そ、そうかな?お世辞でも嬉しい」 ストンとようやく降ろしてくれた。真後ろにいる浩史君の顔を見れず振り返ると顔を背けられた。 あ……まただ… こういうことはたまにある。最近目を見て話そうとすると浩史君だけ目を合わせることが少なくなった。最初はどうしてって疑問に思い聞いてみたこともあるが"乃愛は気にしなくていい"と立て続けに言われたので最近ようやく深追いするのをやめられた。 「ハイハイ。あんた達さっさと教室行くよ。浩史、話あるんでしょ?」 パンパンと手を叩き、玲子は私と千夏の手を掴み歩き出し、そのあとを浩史君と秀太君が追いかけてきた。
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