2章 血は蜜の味

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「……っ…」 「お前を今夜、城に連れていく──」 「──あ!?‥‥いやッ やだっ‥やめ‥‥ッッ」 グレイは抵抗するルナを抱きしめ窓から身を羽ばたかせる 苦しい程に力強く抱きしめるグレイの腕に抱きかかえられながらルナは目を見張った 自分の躰に触れているグレイの体の至るところから青い煙が立ち昇る そしてグレイは苦し気な表情を浮かべていた‥ ‥っ‥聖水自体の効力はさほどじゃないがルナの純潔さが威力を強めてやがるッ 気を張ってないと力を吸い捕られそうな威力にグレイは全身の肌を総毛立たせた そんな主人を心配するようにコウモリの群れがまとわりついて来ている それはグレイが城に近づくにつれ群れを増やしていった ‥──!? あんなところに城が! そんなに遠くまで飛んで来てはいない筈なのに見たこともない巨大な城が見えてくる 「‥‥‥人間には見えないだけだ‥あの城は何千年も前からあそこに存在している」 ルナの思考を読んだグレイが聞かれる前に口を開く 「‥‥何千年も前から?!」 「ああ、当たり前だ‥」
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