2章 血は蜜の味

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・ 深い闇の中に佇む城に近づくにつれ妙な肌寒さを感じルナは白い息を吐く ‥寒くないのかしら‥? ブルッと身震いをし城を目指すグレイを盗み見ながらルナはそんなことを思っていた 覚悟を決めるしかない‥ 自分はもう助かからない‥ただひとつ、よかったと思えることは自分が天涯孤独の身だということ…。 私が居なくなっても誰かが泣くわけじゃないから‥ だから‥いいんだべつに‥ ルナはそう思いながら目を伏せた グレイはうなだれるルナに視線を落とす 「悔やむことはない‥ 城につけば最高に贅沢な暮らしをさせてやる‥ あんな小狭い屋根裏部屋なんて今に帰りたくなくなるだろう‥‥‥ フッ‥どんなに悶えても落ちないぐらいの天蓋付きのキングサイズのベッドもあるしな」 ‥‥‥!// ‥どうしよう‥やっぱり怖いよッッ 何をされるかは何となく予想つく‥ さっきから抱くとその言葉を豪語する魔物‥ もし妊娠したら!?? お腹破って赤ちゃんが生まれてきたり!?? 「‥‥‥‥」 アワアワと一人青ざめるルナをグレイは呆れながら見ている‥ もちろんルナが考えていることは全部グレイに読まれていた。
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