2章 血は蜜の味

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・ そんなことは百も承知の上なのだが、二度と自分に逆らわないようにするためにこうするしかなかった‥ どんなに荒がいでも逃げられない‥ 痛い思いをするくらいなら素直に従い、快楽に身を任せた方がいかに利口かということを、その身に刻み込めば二度と逆らわないだろうと‥ グレイはそう判断していた。 ただ、すきっ腹にこの香りは堪らない程の誘惑でもある。 もう少し痛い目を見せるつもりでいたが、我慢できずにグレイは吸血行為に及んだ 腰を激しく律動させながらルナを見つめる黒い瞳が徐々に赤色に変わり荒い息を吐く口からは急に伸び始めた牙が現れる 目の前で始めて変化する瞬間を見たルナは身震いを起こした ‥殺される──…!! 怖いッッ誰かっ… 痛みで痺れ始めた躰を押さえつけられながら身をよじるルナの首筋にグレイはゆっくりと舌を這わし動脈を探る 「……──っや!?‥」 痛みばかりを与えられていた躰に甘い疼きが呼び起こされルナの躰は一瞬ビクッと痙攣する そして、動脈を探り当てたグレイの牙が首筋にグッと食い込み入り込んだ瞬間ルナの全身に甘い痺れが起こった 「‥ハッ‥‥ぁンン‥っ‥」 ジワッと躰の中心から熱い何かが溢れ出す
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