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床がギシッ──と大きく軋んだ。
(…っ…来た…)
ルナは肩を縮めてシーツに深く潜る。
「すごい歓迎の仕方だな…ここまでくると返って光栄に思うが…悪いな。ニンニクなんて物は俺には効かない。逆にお前の方が辛いんじゃないのか?」
宣告通り、夜中になってルナの部屋を訪れたグレイは、ベッドに腰掛け苦笑った。ルナのベッドの周りにはニンニクが沢山転がっている。
そして、ベッドの中でニンニクを握りしめながらシーツに踞るルナをグレイは覗き込む。確かにこれだけの量があると生身の人間でも辛い。
「まあ、そんなことはどうでもいい。構わず食事をさせてもらう」
「──…!っ」
グレイが指を軽くパチンと鳴らすとルナのシーツがゆっくりと宙に浮き、ベッドの脇にドサリと落ちる。 そして、周りに散らばっていたニンニクはコロコロと転がり一ヶ所に片付けられていた。ルナは目の前で魔力を使うグレイに驚きごくりと唾を飲む。初めてみる不思議な力。
(…っ…やっぱりこの人は人間とは違うっ…)
「そんなに怯えるな……食事が済めばすぐに立ち去ってやる…」
「…っ…あ…やめてっ…」
ルナは思わず抵抗した。
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