2章 血は蜜の味

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‥っ‥ なんだこの‥感触は‥ 自分の体を甘く蝕むようにルナと繋がった部分から痺れるような快感が押し寄せる。 こんな感触はグレイ自身も初めてだった。 彼らは獲物に快楽と言う餌を与える代わりに生き血を頂く。 だからして、彼らが獲物から快楽を与えられることはいままでが皆無なことだったのだ。 雄のヴァンパイアは人間の女を獲物にし、雌のヴァンパイアは人間の男を獲物にする。彼らは獲物の性欲に罠を仕掛け捕らえる。 その為に自らが性欲の餌食にならぬよう、快楽を獲るという本能は備わっていなかったのだ。 彼らにとっての性行為は獲物をより美味しくする為の儀式でしかあり得なかった。 その筈なのに── グレイは初めて知った快楽に呼吸を乱し始めていた。 「‥‥くッ‥‥っ‥ 何故だ!!‥なんでッ」 与える筈の快楽を獲物自身から与えられてしまう。 グレイはあり得ない程に困惑していた。 感じ始めたルナの躰は甘い喘ぎと共に貫くグレイの硬い猛りを翻弄していく グレイは堪らず体をルナから放した── 「アァっ──‥」 ズヌッ‥と熱いモノを抜かれルナは切ない眼差しでグレイを見つめ返す
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