2章 血は蜜の味

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(明日…も…っ…一体どうすれば逃げられるの…) 熱をもつ躰を庇い朦朧としながら必死で考える。 (化物の花嫁なんて…っ…絶対にいやっ!でも一体どうすれば……)  初めて知った快感に悶えた躰は、極度の疲労に見舞われる。ルナは考えを巡らせながらいつしか深い眠りの闇に吸い込まれていった……。  甘い血が自然と滴る間、グレイは毎夜の如くルナの部屋を訪れ続けた。そして数日が経った頃、その量もかなり少なくなっていた。 ──ピチャ… 「んんっ」  しつこくねぶられ、ルナの腰が浮く。 「そろそろか──」そう呟くと、グレイは底を尽き始めた甘いワインを流す乙女の躰を眺めた。 「ここからの吸血もそろそろ限界のようだ……ふっ…なに、そんなに脅えることはない。花嫁にするのはお前がもう少し大人になってからだ」  グレイはルナの怯えた表情を見つめ、くくっと肩を揺らし、ルナの顎を摘まむ。 「今、お前を花嫁にしてしまえば成長が止まってしまう……いかんせん俺も、花嫁にするならメリハリのある女じゃなきゃつまらんからな…今のお前ではどちらが背中か前か、区別が出来ん」 「──っ…な…」  真っ赤になってルナは唇を噛み締める。思春期の乙女にグレイは言ってはならないことをさらりと口にした。
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