7 coffee

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「おかえり、琉くん。どうしたん」  琉斗はコホコホと咳をしながら奥の部屋へ直行した。  伊月さんが代わりに答えた。 「ごめんなさい、マスター。今日、保育園で友達と喧嘩したみたいで。取っ組み合いになって怪我させちゃったんですよ」 「怪我ってどんな? 琉くんは大丈夫なんか?」 「勢い余って突き飛ばしちゃって、棚でおでこぶつけちゃったんです。琉斗も腕を噛まれたりしたみたいで。まあ、両成敗なんですけど。ただ、原因をはっきり言わないんですよね。先生も見てなかったらしいから」  伊月さんは怒っているというより、落ち込んだ様子で琉斗のもとへ行く。  僕の前を横切る時に目が合った。伊月さんは軽く手を挙げて、 「オス、お疲れ」  と、いつもの口調で言ったが笑いはしなかった。  奥の部屋から伊月さんと琉斗の話し声が聞こえた。   二人の話し声というより、ほとんど伊月さんが一人で何かをしゃべっている。  琉斗は気のない返事をして時々咳込んだ。   徐々に伊月さんの声が尖ってくる。
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