7 coffee

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「代わりにお前が聞いてやったら、話すんじゃね?」 「そんな簡単にいくかよ」  ただでさえ子どもの扱いなんてよく分からないのに、子どものカウンセリングなんか尚更できるかよと小言を並べつつも、あの二人の険悪なムードを見るのは初めてなので気にもなる。  僕はおずおずと近付いて「琉斗」と声をかけた。   座布団に顔をうずめてふて寝していた琉斗は、飛び起きると閃いたような表情で僕を見た。 「とっくん! とっくんが来てよ!」 「は?」 「今度の日曜参観、みんなお父さんとお母さんが来るんだよ。とっくん、代わりに来てよ!」  驚いているのは僕よりも伊月さんのほうである。  呆れてものも言えないといった顔だ。 「なに馬鹿なこと言ってんのよ、とっくんはお父さんじゃないでしょう」 「代わりだよ、お父さんの代わり」 「代わりでも駄目! みんなになんて言われると思うのよ!」 「だって、このあいだはとっくんが迎えに来てくれたじゃん!」 「あれは、お母さんに仕事があったから知り合いに行ってもらいますって、先生に電話したのよ」 「今度もそうすればいいじゃんか! そしたら、ゆうきくんにも何も言われない……」
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