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夢子と書いて、ユメコと読む。
これが、両親からの生まれて初めての誕生日プレゼント。
「色々な夢を見てね」
誕生日が来る度に、両親は同級生の親よりも少しだけシワの多い顔で、そう微笑んでいたような気がする。
両親は、口だけではなかった。
私に色々な夢を見せようと、知りたいことは何でも教えてくれたし、やりたいことは何でもやらせてくれた。
自分で言うのも何だが、私は両親にとって、大事な大事な一人娘だったからであろう。
それでも歳月はゆっくりと流れ、私は高校三年生になった。
天国のお父さん、お母さん。
いま私は、沢山、沢山、沢山の夢を見ています。
二人の望んだ「夢」とは、少し違うかもしれませんが、ね。
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