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彼女は窓から離れ、司の方へと体を向ける。
『司君大丈夫?』
彼女は何かを悟った様に司に手を差し延べる。
しかし、司はその手を取ろうとせず、顔を手でおおい隠し顔も合わせようとしない。
彼女は溜め息をつき、再び窓の方へ向かい、僕に喋りかけた。
『啓太くんさ、今から暇?
これから、ちょっと美術のモデルやって欲しいな』
彼女は笑いながらそう言う。
僕には彼女が解らない。下校時刻が過ぎているにも関わらず、今からモデルなど誰がするというのだ。
『ごめん。明日なら良いよ』
『明日か………今からなんかあるん?』
『別に何も無いけど………。』
『じゃあ決まり!!!!ちょっと美術室まできてよ』
『なっ………』
僕が言い換えそうとした時に窓はしめられてしまった。
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