第二幕

7/15
前へ
/40ページ
次へ
彼女は窓から離れ、司の方へと体を向ける。 『司君大丈夫?』 彼女は何かを悟った様に司に手を差し延べる。 しかし、司はその手を取ろうとせず、顔を手でおおい隠し顔も合わせようとしない。 彼女は溜め息をつき、再び窓の方へ向かい、僕に喋りかけた。 『啓太くんさ、今から暇? これから、ちょっと美術のモデルやって欲しいな』 彼女は笑いながらそう言う。 僕には彼女が解らない。下校時刻が過ぎているにも関わらず、今からモデルなど誰がするというのだ。 『ごめん。明日なら良いよ』 『明日か………今からなんかあるん?』 『別に何も無いけど………。』 『じゃあ決まり!!!!ちょっと美術室まできてよ』 『なっ………』 僕が言い換えそうとした時に窓はしめられてしまった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加