思わぬ接近。

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「……先輩。」 「……ん?」 「取り敢えず今日はとことん飲みましょう!!いくらでも付き合いますから!!」 しんみりとした雰囲気を打ち壊す。 呆気に取られた先輩は一瞬固まったあと盛大に笑い出した。 「アハハハハっ!」 「ぁ、いや、えっと、そんなに可笑しかったですか?」 「アハハっ!やっぱお前最高だな。…よしっ。今日はとことん飲むぜ。覚悟はいいか?」 肩に腕を回されおでことおでこがくっ付いた。 「は……はぃっ!」 うーーわーーーー!!! あーーーー!!! 死んでもいい! 脳内がカオスになってる間に先輩は向かい側に戻っていった。 ちょっと寂しいと思うもおかげで冷静さを取り戻す。 「お前本当は焼酎飲めねぇんじゃねぇか?」 「あ、バレました?」 「やっぱな。あんま進んでねぇからそうじゃねぇかと思ってよ。普段何飲んでんだ?」 「普段はウイスキーばっかですね。」 「気が合うな。俺も実はウイスキー派だ。」 そう言うなり店員さんを呼んでウイスキーを頼む。 いつも飲んでるからか、何も言わなくともウイスキー数種類とジンジャーエール、コーラなんかも揃ってる。 「…凄いですね。」 「俺専用のセットだ。いいだろ?ここ。」 「いいっすね!テンション上がる!」 色んな飲み方出来るじゃん! 「お前会社の時と違って案外子供っぽいんだな。」 「そうですかね?何か段々仮面外れてきました。」 「おっいいね~。ほら、飲め飲め!」 「あざーっす。」 そうして先輩との第2ラウンドが始まった。
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