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「………でも、たかちゃんは家に帰らなくなった時からずっと、心に重りが乗ったままだったんでしょ?透の許せない気持ちも分かるし、俺は…たかちゃんがずっと苦しんでたんだなって気持ちも分かる。要は、たかちゃんはずっと透に後ろめたい気持ちがあって、会うのが怖かったんでしょ?」
図星なのか、たかちゃんはチラリと透を見た…と思ったら何故か抱き締められた。
「……そうだな。怖かった。会ったら絶対文句言われるし、嫌われてるのも分かってたし。俺は、またこの家に戻ってくる資格はないとさえ思ってた。」
そう言ってギュッと抱き締める力が強まる。
こんなに弱ってるたかちゃんがたかちゃんじゃないみたいで気付いたら頭を撫でててた。
「…大作。こっち来い。」
ありゃ。
透から呼び出し食らっちゃった。
「大作は今は俺の!」
「いや意味わかんねぇから。返せ。」
「いいだろーちょっとくらい。なぁ?大作。」
「えー俺に振られても…。大作、困っちゃう。」
きゃぴっとして言えば2人から冷たい視線を浴びせられた。
「なんだよー。シリアスな雰囲気だったから明るくしようと思ったのにー。」
「やっぱお前俺の嫁になんねぇ?…後悔させないぜ?」
フッと耳に息を吹き掛けてくるあたり、いつものお調子者のたかちゃん復活だ。
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