思わぬ接近。

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「そうか。……ま、それもそうだよな。ところで、やっと本題に入ろうと思うんだがいいか?」 おぉ、いきなりの話題変更。 なんか助かった…かも。 「そうでした。話って何ですか?会社じゃまずいんですよね?」 「あぁ。今日専務が来たのは知ってるよな?」 「はい。部長直ぐに謝罪の電話入れてましたよね?」 「あぁ。まぁその事はどうでもいいんだが、ちょっと宜しくないことが起こってるみたいでな。」 そう言って、先輩は鞄からファイルを取り出し俺に差し出す。 それを受け取り、中身を見る。 「…………これって。」 「流石笹倉。直ぐ分かったな。」 「いや、だってこれ…ミスにしてはおかしいですよ!」 「そう。ミスにしては数字が大きく違う。有り得ない数字が並んでる。いくら俺がミスをすると言っても、ここまで大きなミスを逃す筈がない。それだけは自信ある。」 確かに、先輩が最終チェックをして部下に許可を出すことにはなってるが、いくら何でも先輩がこんな馬鹿げたミス見逃す筈がない。 「先輩……これ、数字が2段ずつ下がってるだけじゃないですか?」 資料をよく見ると、一見支離滅裂にも見えるが単純に数字のほうが2段ずつズレている。
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