思わぬ接近。

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「やっと昔みたいに先輩って呼んでくれたな。」 ん? あれ、俺今何も考えずに先輩とか言っちゃった…? 「あっ!すみません!」 思わず目をギュッと瞑って俯く。 「何で謝るんだよ。むしろ俺は嬉しいぜ?部長なんかになっちまったおかげで、お前から先輩て呼ばれなくなったのちょっと寂しかったんだよな。」 恐る恐る顔を上げて見ると、先輩が頬杖を付いて優しく笑ってた。 「…………あ、そう…なんですか?」 やっばい今の俺絶対顔赤い!! 咄嗟に俯き書類に目を落とす。 何かクスクス笑ってる声が聞こえるけど気にしない。 はぁー…。 俺隠しきれてないよな。これ。 「だからさ、皆の前では今まで通りでいいからよ。2人だけの時はまた先輩って呼んでくれよ。な?」 な?って…!! な?って首傾げられたら断れませーん!! 「ぅあっ!分かりました!」 あぁもうまた変な返事しちまったぁ! 「サンキュ。で、話の続きだけど…。」 そう言って中々喋らない先輩に不思議に思っていると、隣から先輩の香水の香りがフワッと漂う。 途端襲う緊張。 ちっ、近いっ!!
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