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~雨~
ぼく…
雨が好きだったんだ。
ざぁざぁ降りの雨が…
小学生の頃
わざと大雨の中
家を飛び出し
近くの公園にある
コンクリートでできた
滑り台へ走っていった。
そこにはしゃがまないと
入れない穴があって
そこから一人で
外を眺めてた…
曇り空…
大粒の雨…
ザァーという
音だけの世界…
誰にも邪魔されず
落ちてくる
一粒一粒の雨を
一生懸命目で追った…
穴から抜け出し
傘も閉じたまま歩くと
びっしょりになっているはずなのに
自分の周りだけ
雨が避けてる
錯覚を起こす…
本当に本当に
どしゃ降りの雨が
好きだった………
大人になり
雨がわずらわしくなった…
今でも
あの子供の頃の光景が
ふと頭の中に浮かび上がる
でも…
今は…
わずらわしい…………
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